酒に酔うと血中に溶けこんだアルコールが作用して、脳の働きを抑制したり、まひさせたりする生理現象から起こります。そのため長期にわたる飲酒の脳に与えるダメージは少なくなく、多量飲酒の習慣がある人やアルコール依存症の人では脳が萎縮し、認知症になりやすいことがわかっています。
近年は若い女性と高齢者にアルコール依存症が急増し社会問題となっています。女子は患者数が10年前の2倍に増加。高齢者は定年退職後に依存症になるケースも多いため、団塊の世代の退職が増加の要因になっているそうです。
アルコール依存症の高齢者は依存症者全体の20%を占め、そのうち治療中の60歳以上では40%もの人に、認知症状が見られるというデータがあるそうです。
アルツハイマー型やレビー小体型の認知症と合併する場合もあり、アルコール性の認知症だけなら治療である程度の改善が期待されるのですが、他の認知症と合併してしまうと、断酒の継続も難しく改善は非常に困難になるのですね。
根性論では回復できないのがアルコール依存症ですが、覚えておいて欲しいのは、アルコールがストレスの緩和に役立つのは、大脳の機能抑制によるものであり、アルコールを大量摂取し続けた場合には、耐性の強化により、ストレスの緩和にはあまり役立たず、むしろ生活面での不利益から生じるストレスの増加が上回ることになります。百薬の長と呼ばれるアルコールも、少量であれば睡眠を促進しますが、多量に摂取し過ぎると、睡眠障害を引き起こすように、アルコールを摂取し過ぎると、それは劇毒でしかないということです。
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