アルコール依存症日記 2009久里浜の夏から

久里浜アルコール症センター 東6病棟492期 since2009年9月12日

タグ:わたせせいぞう

watase_2011_01_09

 人生が好転するための最も重要な秘密。それって自分ファーストに生きることだったんですね。つまり、自分を愛し大切にし、心のニーズを満たしてあげることが肝心です。
 自分を愛し、満たすことができない人は心理的なエネルギーが枯渇しやすく、ストレスを溜め込みがちです。結果、人生そのものが喜びの少ないものになっていきそうです。
 実は、真面目で勤勉な人ほどストレスを我慢してしまうため、このような傾向なんですって。日頃から我慢に我慢を重ねて無理をしているので、ある日、予期せぬ形で、病気や疲労感、不安感や無力感に襲われることがあります。
 まぁ自分の気持ちに素直になるのが下手で、心の奥に抑圧した気持ちを抱えていたら。それはときとして、怒りや不満として現れ、無意識なうちに周囲に伝わってしまいます。結果的に、図らずも周りにいる人との関係を悪化させてしまいがちです。そういう感じで、いつでも爆発寸前なのかもしれませんね。

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 辛抱だけでは決して問題解決には至らないということを最近は考察しています。アルコール依存症という問題は、回復とか緩解という目的はあるのだけれど、生涯完治することはありませんからね。
  久里浜病院を退院して断酒してから10年ちかくが過ぎ、なんとなく飲酒問題によってに苦しめられた過去の記憶が薄れていくのを感じています。
 そして忘れてはならない過去があることも事実です。それはアルコール依存症ということを認めたくなかった自分、そんな僕を見放さなかった家族や友。色々な治療や回復へのプロセスから自分らしく断酒の道に生きることの必要性を学んでいったこと。そのプロセスはけっして忘れてはならないと思う。
 アルコール依存症は飲んできた本人やその家族の人生を破滅に導いてしまう恐ろしい病気です。数年断酒したことで違う景色が見えてくることは真実です、そして新たに色々な認識を得る人は多いはず、そういった経験が心の平安や正しい考え方をもたらしてくれることも真実。そして何年断酒していても初心を忘るべからずということですね。

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watase
 何年断酒を継続していても一度飲酒をしたとたんにいきなり慢性症状が出現するんですね、よく大学新入生が一気飲みでなる急性アルコール中毒とはぜんぜん違うのです。
 これを履歴現象というらしいけれど、この現象こそがアルコール身体依存の特殊性を物語るもので、残念ながら30年は消えないといわれています。
 最近の傾向ではアルコール依存症の発症は50歳がピークとされています、仮に50歳でアルコール身体依存が形成されて依存症を発症したとすれば、この履歴現象のために、80歳までの間はいつ再飲酒してもすぐに飲みっぱなしになってしまうということなんです。アルコール依存症は治癒しないといわれる所以はそこにある。残念ながら普通の酒飲みには戻れないから、寛解状態を一生保つことになります。
 アルコール依存症の人なら、大なり小なり誰もがこの履歴現象を経験しています、一杯飲んでしまえばまた同じつらさが待っていることは体で理解していますね。
 世界中どこの国にも「断酒の誓い」というものがあります、必ずわれわれは酒の魔力にとらわれ、というフレーズが入ってる。ことほどさように断酒は困難で、その難しさや辛さは、飲酒しない人や正常飲酒者には到底理解できないのであります。
 だれにどう思われようが、僕らは飲まない1日を30年積み重ねていくしかありません、そしてその頃にはアルコール依存症も完治する医療がなにか開発されているかも。

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