僕らが長生きして、本当の老人になる頃にはどうなっているのかしらという考察。
多くの人が誤解しているようですが、歳をとったらみんながみんな老人ホームに入居するわけではありませんね。友人たちは歳をとったら老人ホームに入居する(笑)なんて言っていますが、全員が高齢者施設だなんて、そんな将来だったら世の中パンクして、そこらじゅう老人ホームだらけです。
例えば、遠い親戚の高齢兄妹(5人兄妹)で施設に入居したのは、認知症になった叔母のひとりだけです。長女が今90歳ですが、元気なので老人ホームに入っていません。長兄と次女は亡くなり、4女は今80歳でまだ元気にしています。
ご近所の老夫婦などは奥さんが足が悪く、ひとりで出かけることはできません(たぶん要介護2か3)が、今でも自宅介護で旦那さんが面倒を見ています。時々デイサービス(日帰り。送り迎えもしてくれる。)を利用しているようです、老々介護というやつですね。
というように僕のまわりだけですら、老人ホームを利用しているのはほんの僅かです。いきなり老人ホームに入居、というのではなく、実際には、デイサービス:日帰り、ショートステイ:短期入所(2日~)、老人ホーム:基本的には亡くなるまで、、、これは僕の母のコースです。
これ以外にも、「訪問入浴」「訪問リハビリ」「訪問介護」など様々なサービスが有り、これらを利用するにはまず、要支援・要介護認定を受ける必要があります。この認定には担当者による聞き取り調査などが行われ、医者などの判定を経て、実際に認定されるまで1ヶ月ほどかかります。要支援・要介護認定ではじめて介護保険が使えるようになります。
うちの母は92歳の要介護4で施設に入っていますが、特養(特別養護老人ホーム)なので月々13万円ぐらいです。介護保険で半分ぐらい賄われているので、実際には1ヶ月に30万円ぐらいかかるそう。母は年金を貰っているので十分賄えています。
なお、特養は基本的には要介護4もしくは5の介護度の重い人しか受け付けてくれないところが多く、要介護3以下でどうしても、という場合はほかを探すことになります。要支援・要介護認定を受けると、ケアマネージャーがひとりつくので、基本的には彼らと相談しながら入居先を決めます。このケアマネさん、もし使えない方に当たった場合は変更することは可能です。
特養は安い(13万円でも安い方です)ので人気があり、入居に3~24ヶ月ぐらいかかります。23区内ではとてもキビシイ感じです、探したり待機してるあいだに本人が亡くなってしまう例もあります。また、きちんと支払い能力があるか、親族でクレーマーがいないか、などを裏で調べているらしくて、支払い能力がないと思われる場合はいつまでも入居できないらしいです。
知り合いの母親で資産も殆どなく、友人の息子も支払い能力がないという人がいます。この場合は本人の年金と生活保護扱いにし、その2つでやりくりしているようです。なので、国民年金を払ってこなかった人は、生活保護だけでは足りないし、うちの母のように資産がある(僕の家の所有者)場合は生活保護が受けられないので、親族の誰かが足りない分を支払う必要があります。払えないようであれば、老人ホームも商売なので入居させてくれません。
僕の肌感覚として、とても多くの人が老後の生活を誤解している気がします。祖父、祖母、そして両親と、ずっとその流れを見て育ってきたので、もうなんとなく自分の老後もどうなるか予測がついていますが、もっと真剣に考えたほうがいいと感じています。
よく、老後はゆっくり旅行でもみたいなことを言っている人がいますが、50歳を超えて運動をなにもしてこなかった人は、まず足腰をやられ、旅行どころか引きこもり寝たきりになる確率が高いように思います。
それに上で書いたように、老人ホームに入るのは今後はもっと難しくなるでしょう。ケアマネが言っていましたが、あと10年後は恐ろしい世界になっているはず。と言っていました、老人が増えて若者が減る。そんな長生きしないから(笑)とか甘い考えの人が多いのです。
子供がいない人は、おそらく老人ホームも入居しづらくなりそうで。いくら資産があっても保証人がいない場合は、年金+生活保護のような国がきちんと支払ってくれるような安定した収入がないと入居はむずかしくなるようです、高齢者専用信用保証会社とか。
年金はどうせ貰えないから。と支払っていない人や、子供をもたない選択した人は、結構真剣に老後を考えたほうがいいかと思うこの頃です。
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