考え及ばないことってたくさんあるんだなと思う。そして、そこに科学が進歩する余地があるんだろうなと思う。そこに気がついたり、最初に発明した人は凄い。そういうところに僕ら個人の単純な発想ではたどり着けない人間の英知の集積があるのかしら。
これだけ世の中のいろんなものが電気仕掛け、コンピュータ制御になると、停電になったらどうなるんだろう、とときどき心配になる。
でも、まず、停電自体が、僕らが子供だった頃に比べるとはるかに起きにくくなっている。そして、万一停電になっても、例えば緊急用の自家発電とか、いろんな仕組みでいろんなことを防ぐシステムができているのだ。そこに油断があったのはたしかだけど、この間の千葉県台風。電柱が軒並みたおれて大規模停電になったけれど、大きな病院は自家発電が機能していた。復旧するのに一週間ちかくかかって一般生活は大変だったろうと思います。
違う例を挙げると、新幹線の駅ぐらいでしか見かけなかったホームドアが、在来線や私鉄の駅に次々に導入され始めた時に、そんなことをしたら却って危ないのではないかと僕は大いに心配したのである。
ただでさえ電車のドアに挟まれる人がいるのに、そこにホームドアなどを設けると、今度はホームドアに挟まれる人、加えて電車のドアとホームドアとの隙間に挟まれる人が出てきて、危険度は3倍になるのではないかと考えた。
僕にはそもそも何のためにホームドアを設置するのかが分からなかった。そんなに人は転落するものだろうか? 落ちるとしたら酔っぱらいぐらいしか思いつかなかった。
でも、目の不自由な人が落ちると聞いて、あ、それは想像がつかなかった、と思った。自分が目が不自由でないから仕方がないと言えばそれまでだが、ホームドアに挟まれる人のことは考えついたのに、目が見えなくて転落する人のことを考えられないのは、つまり、そこが僕の想像力の限界なのである。東京パラリンピックが開かれるというのに、そう言うことに都民として全く自覚がないのですね。
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