アルコール依存症日記 2009久里浜の夏から

久里浜アルコール症センター 東6病棟492期 since2009年9月12日

2017年07月

fiat500

 1日に何度くらいイラっとするかしら。通勤電車では狭いスペースなのにズイッっとお尻を押し込んで座る奴、傘がこちらの服を濡らしてるのにお構いなしの人、目の前に立って新聞を広げて読む人など、飲食店で大声で騒ぐガキども、イライラの原因で溢れているよね。時にはコノヤローと言いたくなることもあるかもしれない。他方でボクらがイライラする出来事にまったくストレスを受けない人種もいる。いったい何が違うのかしら。
 穏やかという言葉を心がけていても、ちょっとした行き違いで怒りがあふれ出てしままう。そして言い過ぎてしまったと後悔したり、なんでもっとやさしくできなかったのだろうと反省したり、自己嫌悪だよねぇ~。
 
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golf

 どうすれば、自分の気持ちを素直に伝えられることができるのかしら。家族など本当にわかってほしい人に自分を理解されない苛立ち。職場の人や友に嫌われたり、対立しないようにと抑え込んだ不満や要求、本当の気持ち。それらがヘドロのように自分のカラダに溜まっていき、弱っている部分に症状となって現れる。
 言葉にしない本当の気持ちや欲求に気づき、何も言わなくても理解してくれる。そんな信頼されるような人間関係を作るにはどうしたらいいのかしら。わがままや自分勝手と言われずに我慢しないコミュニケーションをつくるには。

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s600

1 依存症の自己診断(依存症について理解しましょう)
2 飲酒問題の整理(自分の問題を整理して考えましょう)
3 一日の生活を振り返る(飲酒中心の生活ではなかったですか?)
4 飲酒と断酒の良い点・悪い点(それぞれメリット・デメリットがあります)
5 将来を考える(何のために断酒しますか?)
6 飲酒の引き金(再飲酒防止のために考えておきましょう)
7 社会的圧力(酒に誘われた時どうしますか?)
8 再飲酒の予測と防止(あらかじめ考えておきましょう)
9 思考ストップ法(飲みたくなった時の対処法です)
10 再飲酒時の対処法(万が一飲んでしまった後、病気を再発させないために)
11 ストレスに対処する(ストレスに強くなるには)
12 怒りのコントロール(怒りは飲酒につながります)
13 楽しい活動を増やす(断酒によって増えた時間を有効に使いましょう)
14 退院後の生活設計(断酒だけでは回復しません)

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fer

 ちょっとしたことでついイラッとして、相手を責めてしまい、後で後悔するという経験は誰しもあると思います。僕もささいなことに腹を立てたり、一喜一憂したりしないようになりたいと思ってはいるものの、まったく実現できてないんだよなぁ~。
 そして日替わりのように政治家や芸能人をバッシングする報道を目にします。いわゆる著名人だけでなく、社会全体に何か問題が起こったらその当事者をとことん追及するのが是だという空気感がありますよね。
 誰か一人をたたくことで自分は浮き上がる。たたいた当人は次第に、次は自分がそうなるかもしれないと思い警戒する。誰もが誰をも警戒する社会ってね、それってみんなの損失だと思う。
 寛容さ、寛容力、寛容な心、許すこと、思いとどまる、そういうの必要だよね。

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shirokuma

 日本人はアルコールに寛容だとよく言われる。確かに飲酒運転以外のアルコールによる失敗はある程度許される傾向にあるとは思う。
 なぜそんなに飲むのだ、忘れるためさ、なにを忘れたいのだ・・・忘れたよそんなことは。粋な言葉で始まるこの物語はほとんど実話のアル依小説だ。中島らも自身がアルコール依存症で、入院した経緯から退院するまでのすべてと心の葛藤が描かれてる。今読むと時代背景はちょいとふるいけど、自分が久里浜病院に入院するにあたりどんだけ役立ったか(笑)
 これを読めば、アルコール依存度の中でどのくらいの重症度になるかだいたい見極められる。なので、もしかして自分はアルコール依存症なのではないかと疑っている人はぜひ読んでみればと思う。

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neko

 知ってると思うけど、酒をやめるだけで身体症状が目に見えて改善し、しらふの期間が続くにつれて判断力が戻ってきて、生き生きとした感情、飲まない生活への自信、回復が進むと自分が生きる上でかけがえのないものは何かを考えたり、人生の意味について洞察を深めたりします。

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honda

 段々と、しかし確実にお酒を飲むこと以外のことは何もできなくなるんです。何をやっても飲酒のためにうまくいかなくなります。
 飲み過ぎさえしなければ、もっといい人生を送れたはずだと思う反面、このなんとも情けない気持ちが快感になったりすることもある。解決してくれるのは酒だけであり、人生から酒をとったら何が残るのかしらと考えてしまう。
 やめなければと思う反面、アルコールを手放すことにひどく恐怖を感じるのである。大酒によって一時の解決を図っても、切れてくるとまた同じ状態になるという悪循環。
 この悪循環を断ち切らなければ、アルコール依存症を治すことはできません。

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neko

 アルコール依存症と診断された人は、自動車の運転免許の取得や更新ができない場合があります。運転免許の取得や更新の際には、一定の病気等の症状に関する質問制度というものがあり、質問票の提出が義務付けられています。
 過去1年以内において、次のいずれかに該当したことがある。
・飲酒を繰り返し絶えず体にアルコールが入っている状態を3日以上続けたことが3回以上ある。
・病気の治療のため、医師から飲酒をやめるよう助言を受けているにもかかわらず、飲酒したことが3回以上ある。
 この質問に該当する人は職員からアルコール依存症の症状について質問を受けることになります。そしてアルコール依存症の疑いのあると判断された場合、後日、診断書を提出することになります。
 その後、診断書に書かれている内容(断酒の継続状態・体や心の状態・再飲酒の可能性)を参考に個別に判断されます。尚、運転免許証の取得や更新には、最低でも治療施設退院後6ヶ月以上、断酒を継続していることが必要です。

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cand

 こう熱いと冷房の効いた静かな喫茶店で、旨味の香るブルーマウンテンをブラックで飲みたいなぁ~なんて思う。喫茶店で珈琲を飲むことがなくなった、いや喫茶店じたいがなくなったからね、純喫茶なんて言葉が死語だし、外で飲む珈琲はドトールとかセブンイレブンのの200円の珈琲。
 僕は名曲喫茶やジャズ喫茶があった時代に辛うじて引っかかってる世代なんだ、その静かに流れる音楽と香り高い珈琲が心を鎮めるいい効果になったし、古い歴史を感じる喫茶店で来るはずの人を待つ珈琲は、そのほろ苦さが自分の運命を表す味のような気がして心がざわついたな。
 ガロの学生街の喫茶店の時代にワープしたいって感じ、ドアを開け君が来る気がするよなんていう思いが、今はもうずっと遠い遥かな昔の話。髪の長いミニスカートのよく笑う少女は、今はもう孫の居るおばあさんかもしれないし、キッと唇を噛んで顔を上げていた愛しい人は、どこかで落ち着いた暮らしをしているんだろうし。
 強烈な夏の陽射しが溢れているこの季節、むかしは僕たちの季節だったこともあったのに、今はボぉ~っとしたひたすら厳しい季節としか感じられず、昔はあまり飲まなかった炭酸水が定番になってる、そんな時代がつい昨日のことのように感じられる今日この頃。

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volvo

 とうぜん入院中はアルコールが飲めません。アルコールがなくても1日1日過ごすことができることを経験していきます。そしてアルコール依存症の治療で一番の肝は自分が病気である自覚を持つことです。
 認知行動療法、ミーティング、酒害の知識、AAや断酒会につながる、家族会等々、意識改革に関するプログラムを修了した段階で退院となります。断酒するという明確な目標を持って自宅に帰ることになります。まるっきり自覚が持てない場合でも退院になります、その場合は病院を出た瞬間に飲むことになりますが、根気よく外来通院することが大切。

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vw

 暑さも一気に本格化。夏の陽射しは強烈だから日焼けにご用心ですね。大人になってみれば、みっともないと抑制が働きますが、怒りを露わにすればひんしゅくを買い、涙を落とせば慌ててぬぐい隠す。感情をむき出しにする機会は随分と減りました。というより、ほとんどありませんね。
 でもさ、思いっきり怒りをぶつけることができれば、こころゆくまで泣くことができればさ。解放され、そして、癒されるのでしょうね。なんであれ溜め込んでいることはよろしくない。
 怒っても仕方のないことだし泣く自分のほうがおかしい、だからあきらめよう。あきらめると決心してスパッと気持ちを切り替えられればいいけど、そうじゃないから悩むわけで。あきらめるってことも立派な溜め込みなんですね。

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2cv

 酒で死ねたら本望だ。こういう人って、今の気分として何が何でも酒が飲みたいだけなんでしょうね。まぁアルコール依存症で死ぬのかといえば微妙ですよねぇ~、アルコール依存症で死ぬというよりアルコール依存症になったから体を壊す、そして死に至るというところでしょうか。
 長期にわたる大量飲酒で、肝障害~肝臓がん、ノドのがんも意外と多いと聞くし、膵炎、胃腸障害、糖尿病、脳萎縮~記憶や言動、視力にも害を及ぼします。ここまで身体に無理をさせてまで飲酒をするのですね。精神的な症状では不安感、焦燥感、落ち込みが特徴です、怖いのが幻覚や興奮での事故、自殺。
 断酒できない人の多くは、あなたのすぐ横には死がまっているとの認識が薄いように感じています。

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sl

 趣味はないよりあったほうがいいと思います。人間は仕事だけで生きているわけじゃぁないし、ごく近い将来には仕事から解放されて老後生活を送るようになりますからね。
 日本では老後の平均的な期間は20年以上あります、24時間365日が日曜日で無趣味な人の人生は退屈きわまりないことになります。
 現役の人だって趣味は働きがいを生み出します。生活のメリハリにもなるしね。うちは居ないけど、子育てを生きがいにしている人は、いつかは子離れによるロスに襲われます。孤独が招く精神的ストレスの問題もあるのでしょう、友人などとの接点や余暇活動が乏しい人は死亡率が高くなるといいます。老後にアルコール依存症なんて話も耳にはいりますし、シャレにならないし(笑)
 やっぱり趣味を見つけたほうが良い、長生きするためにもまずは楽しいことはたくさんあったほうがいいですね。

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s600

 夏が来ますね(笑) 2009年以来、ボクにとって夏といえば久里浜病院という方程式が出来上がっている。
 夏のイメージ、昔は小学生の頃の夏休みだったなぁ~。8月終盤になると反射的にせわしく、そしてせつなく思う感じがあったでしょ。31日だと本当に辛いでしょ、宿題がまだ終わっていないという焦りと、それを責める母親との修羅場の思い出しかない。8月29日はちょっと余裕があるし。まだ数日あるじゃんとか思うわけ。本当はあと3日しかないのだけど、まだ20日台であるという事実がまだまだ夏休みという錯覚を呼び起こしていたんだよね。
 でも30日は違います。かなり切羽詰まってくる。ボクの夏が本当に終わる。休みが本当に終わる。宿題が本当に終わってない。すべてがリアリティを持って自分に攻めてくる。
 夏休みの初めには7月一杯で宿題やっちゃってぇ~とか皮算用してたのになぁ、なんでちゃんとやらなかったんだろう、みたいな淡い後悔に苛まれる。甘美な自己憐憫すらある。このままやらないで学校に行ったらどうなるんだろうという破滅願望すらむくりと起き上がってくる。実はまだ1日あるじゃんと心の隅っこで悪魔がささやいたりもする。ひひひ。
 そんな気分を50年近く経つのに、まざまざと昨日のことのように思い出せる。久里浜に入院していたなんて、ほんの昨日のことのように蘇ってくるんだよね。
 歳を重ねてさっ、楽しいなぁ~と思うのは、こうして心の中に豊かな感情をたくさん持てることかな。過去の人生に紐づいた、自分だけの感覚に浸れること。そしてその感情の中に上手に入って行くと、実に豊穣な時間が待っている。楽しい。時を忘れる。
 妙に心が豊かで、その感情に身を委ねているのが楽しいんだよね。あるでしょ(笑)

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覆面4

 飲酒で心配なことといえば、飲み過ぎによる肝機能の悪化、肥満、痛風、記憶をなくす、忘れ物をするということまで枚挙にいとまがないですね。
 でもあなたのような酒豪がひそかに心配しているのはアルコール依存症ですよね。
 そして相当お酒を飲んでいる人でないと本物にはならないのではないかと感じている場合がほとんど。でも実は意外に身近でコワい精神病なのです。もしかしたらそこの君だって自分はアルコール依存症なのかもって思うことがありますよね(笑)
 ちょいと古い数字だけど、依存症が109万人いてリスクの高い多量飲酒者が1000万人近くいる。何もしないでいると、行き着くところは離婚して一家離散となっても飲酒を続け、会社もクビとなり、収入がなくなって生活保護を受けるようになっても飲み続け、孤独死する人も実際にいますから。
 リスクの高い多量飲酒者が1000万人、この人たちは普通にそこら辺で飲んでるわけだけど、1日3合ですね、純アルコールに換算して60gは日本酒でいえば3合。専門家の間でも60gの壁と呼ばれていますから。
 そんなぁ~、3合なんかじゃ足りるわけがない。本当ですよねぇ~(笑)

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